本日紹介するのはこちら
宮下奈都さんの「羊と鋼の森」です
まずはこの作品2016年度の
全国の書店員が選ぶ一番売りたい本に贈られる「本屋大賞」
紀伊国屋書店スタッフが全力でお薦めする本「キノベス」
王様のブランチ番組内での年間お薦め本に贈られる「王様のブランチブックアワード大賞」
で史上初となる三冠を受賞した本です
なんの前知識もなく、タイトルのカッコよさとカバーの絵に魅かれて購入したこの本。
家に帰って早速読み始めた僕。
物語のプロローグとなる最初の数ページを読んでみた...
思った!
よしっ!!この本に出会えてよかった!!!
この「羊と鋼の森」はピアノの調律師という職業を題材にした物語なんですが、
僕がなによりもまず伝えたいこの本の魅力は”とにかく文章が爽やか”なところです。
読者によっては、それを温もりとか優しさと表現するかもしれないけれど、僕は全編通して文字から受ける爽やかさでずっと森の中で読書をしているみたいでした。
この「羊と鋼の森」の特徴と言ってもいいと思いますが
音や音楽の表現がほぼ森で表現されるんです。
「梢に耳をあてて~」「葉の擦れる音が~」「落ち葉を踏みしめる時の~」のような
本来聴覚で認識する“音”を 視覚や触覚、想像力をかきたてることで補い
調律師という職業の魅力を引き出しているんです。
整音という作業が物語の中に何度も出てきますが、音を整えているその音が、聴こえてきます。
視覚や触覚など別の感覚が聴覚に訴え、それを認識する。
共感覚と呼ばれる特殊な知覚現象があります。
文字に色を感じたり・色に音を感じたり・形に味を感じたり...
読んだ人にしかわからない不思議体験...
人気の理由はここかもしれませんね。
そんな清々しい森の中で見えてくるのは
”職業・生き方”という深いテーマです
何故この仕事をやっているのか
この仕事でよかったのだろうか
どうやったらあの人みたいになれるのか
何のためにこの仕事をしているのか
世の中にはたくさんの職業や生き方があふれかえっています。
人の数だけの生き方、調律師のような普段意識すらしなかった職業。
現代はあらゆるものが仕事になる可能性を秘めている半面、機械化によって廃れていこうとしている職業もあるのが現実です。
そんな中で誰もが思う...
自分は何のために生きているんだろう
自分には何が出来るんだろう
何度も書いていますが
読書のメリットは人の人生を疑似的に体感して、道を増やすことにあります。
そういう意味でこの「羊と鋼の森」はうってつけの良本です。
是非ともこの本を読んで
森林浴をかましながら自分と見つめるきっかけを作って欲しいです!
さあどうでしたでしょうか!
本屋大賞で1位をとった本を読む。僕もあまのじゃくですからそこに抵抗を覚える気持ちはわかります。
確かに、歌は人によって好みがわかれます。
絶景と呼ばれる景色にだって賛否両論でてくるでしょう。
舞台や映画の興行収入・観客動員数も鵜呑みにはしにくい。
しかし、本だけはそうではないと思ってます。
人が薦める本は確実にメッセージが隠れています。
たくさんの人が薦めるということは、誰もが考えて悩んできた物事に対するひとつの答えや、共感できる部分がそれだけ多かったということなんです。
自分一人では解決できない、けど人にも相談しにくい。
みんな同じようなことで同じような悩みをもっているとすれば、その本にはそれを一歩進展させる可能性が1%以上確実にあります。
どうかこれがあなたの人生を変える一冊でありますように。
以上BJRYOでした!
Thanks a lot
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