阿鼻叫喚~正に地獄絵図

どーもBJRYOです



今回紹介するのは四字熟語。
『阿鼻叫喚』です。


まずその意味を辞書で調べてみると、
◇非常な悲惨・辛苦におちいって、叫んで救いを求めるさま。
と書いてあります。

確かにこの『阿鼻叫喚』を使う場合に僕がイメージするものは、勝ち目のない戦争の最前線にいる兵士だったり、大量の虫や化け物に襲われている時だったりします。


では何故『阿鼻叫喚』という四字熟語でこのような意味がつくようになったのか!
実はこの『阿鼻叫喚』は『阿鼻』と『叫喚』にそれぞれ「地獄」が付いた、地獄のことを指しているからこのような意味になったのです。

つまり「阿鼻地獄」と「叫喚地獄」!
地獄の世界は八大地獄と言って八つに分類されるのが一般的な考え方らしく、その中で別名:無間地獄とも言われる最も刑が重く最下層に位置するのが「阿鼻地獄」。
人を殺めて、盗みを働き、淫乱な行いをし、お酒を使って悪事を働いた者が落とされる四番目の地獄が「叫喚地獄」です。

ということで、地獄について色々調べてみたんですが、なかなかにぶっ飛んだ設定ばかりでした。
まずは地獄の広さですが、地獄の距離の単位は由旬(ゆじゅん)と呼ばれる古代インドにおける長さの単位を使って表され、今私たちが立っている大地から下へ4万由旬言った場所に最下層「阿鼻地獄」があるそうです。
1由旬で約7㎞と計算できるらしいので、4万由旬で=28万㎞!!
地球の大きさが約4万㎞らしいので、地球7個分下に最下層が存在しているらしいです。
死んで霊体となって閻魔様に「お前、阿鼻地獄行き!!」と判決を下されて、鬼に地獄行きの穴に落とされてから「阿鼻地獄」に着くまでに2千年かかると説明されているのも、あながちでたらめな数字ではないのかもしれない(笑)

その穴を自由落下で落ちている最中に1~7までのそれぞれの地獄があるそうで、そのほかにもいろいろな考え方の中でたくさんの地獄が存在しています。
地獄と言えば主に”八熱地獄”を指しているそうですが、実は”八寒地獄”というものもあるそうで、火が燃え盛り真っ赤な大地と岩肌!というのとは真逆な寒い地獄とか。
地獄と言うと無期懲役で永遠に拷問や苦しみを受けるものというイメージがありますが、実はそれは最下層の「阿鼻地獄」だけで、「叫喚地獄」を含む1~7の地獄ではある条件を満たすと逃げ出すことが可能らしいのです。
しかしそこは地獄。ひとつの地獄の周囲には”小地獄”と呼ばれる16の地獄が別に存在しており、結局はそれらのどれかに逃げ込んでも苦しみと拷問からは逃げ出せないのです。

では、逃げずに刑期を全うすればいいんじゃない?
と考えたそこのあなた!!
ただでさえ書くことも恐ろしくなるほどの拷問に加え、驚くべきはその刑期の長さなんですよ。

地獄に落とされた人間にも寿命があるそうで、1番刑が軽い『等活地獄』と言われる地獄の衆人(囚人)で500歳。しかし通常の私たちの概念の時間間隔で500歳ではなく、地獄ルールでの500年。
いろんなサイトでいろんな計算がなされているけれど、短くても約1億年!!
長いやつだと1兆6653億1250万年!!
寿命=刑期なので・・・まじか・・
しかも『等活地獄』行きへの罪名は、殺生。
いたずらに生き物を殺生した罪人が送り込まれる地獄で、その生き物の中には蚊や蟻などの虫も含まれているので、人類は全員とりあえず『等活地獄』は決定(笑)

仏教やその他の宗教などはこういった地獄へ落とされないために、天国や地獄などといった概念の外にある仏の境地へと導く為にあるそうです。
なるほどね~。

『阿鼻叫喚』とは、地獄に落ちた罪人たちの苦しみ蠢くさまを言った四字熟語だったんですね!
いろいろな数字を見ただけで『阿鼻叫喚』しましたとさ。


ということで今回は四字熟語『阿鼻叫喚』の紹介でした。
ちなみに芥川龍之介の作品「蜘蛛の糸」にでてくる[カンダタ]という男は、殺人を犯し、放火をした罪で地獄に落ちていたところを御釈迦様に救われているけれど、恐らく放火をする前に盗みを犯していると考えられるので、[カンダタ]は第2の『黒縄地獄』の鼎という三本脚の鉄の窯の中で煮込まれている最中に、蜘蛛の糸を見つけたということが判明しました!!
まっ、結局は落ちるんだけどね。

そんな新しい発見をしつつ、
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
『阿鼻叫喚』などという状況にこの世界がならないことを祈ります。


以上BJRYOでした


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