コンビニ人間

どーもBJRYOです



今回紹介するのはこちら、
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村田沙耶香著 『コンビニ人間』です。

2016年の芥川賞を受賞した本で、この本を紹介する上で何よりも売りになると思うのは、”読みやすさ”だと思いました。
みなさんは芥川賞と聞いてどんなイメージを持ちますか?
まったく本を読む習慣のなかった学生時代の自分を思い返すと、聞いたことはあるけれど何か固そうな、難しそうな分厚い、びっしり文字が書いてある本をイメージしてました。
書いてある内容も、小難しいことを難解な日本語で書いてあるんだろうな。
と思っている方にこの『コンビニ人間』をお薦めします。

まずこの『コンビニ人間』ですが、とっても薄いです。
重厚な感じは一切なくて、なんならスケジュール帳くらいの分厚さしかないです。
もともと芥川賞という賞の審査基準の中に、「新人が書いた短編又は中編小説」という基準があるので、そこまで分厚い歴史小説のようなページ数はないんですが、それにしても薄い。
何を隠そうBJがこの『コンビニ人間』を手に取った理由も”薄くて軽く読めそうだな”と思ったからです(笑)

しかしこういうとらえ方もできるのではないでしょうか?
あの名誉ある芥川賞受賞作品を、お手軽にサクッと読めちゃう!

今まで本を読もう読もうと思って読み始めてみても、最初はなんなく読めるのにどうしても途中で飽きてきて、気付けば本棚の中に眠っている。
こんな経験をお持ちの方にも安心の”薄さ”です。
何かをひとつ最後まで読むことができたという自信は損にはならない筈です。
それがかの芥川賞受賞作品だとしたらこれは凄いことですよ。

聞いたところによると去年の紅白歌合戦はテーマの一つに[若返り]があったそうです。
今まで何年も連続で出場されていた、大御所と呼ばれる時代時代の顔だった方たちが選ばれなかったのもそんなテーマがあったからなんだそうです。
その時ふと思ったのがこの本です。
芥川賞という歴史ある賞レースも若者にもっと寄せたものになっていっているのかなと。
2015年にお笑い芸人ピース又吉さんが「火花」で受賞しましたが、もしかしたらこういった思惑があったんじゃありませんか。


さあ次にお薦めできるところはこちらです。
”メッセージが凄い”

さあ先ほどから何度も言っております芥川賞ですが、審査基準に含まれるのは上記のモノだけではありません。新人が書いている短編又は中編の・純文学・が審査対象になります。
では、”純文学”とは何ぞや?という方のために簡単に説明しますと、
[大衆小説のような・娯楽性・よりも・芸術性・に重きを置いている小説の総称]
なんだそうです。
調べてみるといろいろ議論が分かれているみたいですが、読んだあなたがこれは芸術的で純文学だなと思えばその本は純文学です(笑)

ではこの『コンビニ人間』は芥川賞を受賞出来ているということは、この本は純文学です。
ということは?
なにかしらの芸術性を審査員が感じたってことになりますよね。

ではそれは何だったのかを悪魔でもBJなりに解説しましょう。


まずこの『コンビニ人間』というタイトルをみてこう思いませんか?
「コンビニ人間って何?」と。
この物語の主人公の女性は、幼少の頃より少し変わった子供でした。
どんな子供だったのか?
物語からひとつ例をとりあげると、

ある時公園に小鳥の死骸があるのを子供たちが見つけます。
子供たちはそれぞれの親に向かってこう言います。
「ねえお母さん。この小鳥かわいそうだから埋めてあげようよ。」
「そうだよ。お墓を作ってあげよう。」
子供の優しい一面が垣間見られるほほえましい瞬間が描写されていますが、この女の子は母親にこう言いました。
「ねえお母さん。この小鳥家に持って帰って”食べよう”。」

どうです?
あなたはこんな子供がいたらどう返しますか?
もちろんこの女の子の中にはきちんと筋の通った考え方があった上での”食べよう”なんです。
しかし、両親を含めたあらゆる人にこの子は変だと思われていきます。
数々のエピソードを経験していく中でこの女の子は、自分は世の中の常識というものから逸脱しているんだと理解していきます。
塞ぎがちになり自分から何かを発信していくことを避けていたこの女性は、大学生になると同時にコンビニに出会いそこでバイトを始めるようになります。

そこでなんとこの女性は18年もバイトをするんです。
僕が出会った人の中でも10年続けているのが最長なので、18年がどれだけ凄い数字なのかわかります。
では何故この女性は18年もバイトをしているのか?
ここに芸術性というかメッセージ性というものが表れていると思います。

今までサイコパスのような発想を常識外れだと指摘されてきた人生を送ることで、自分の中から出てくる考えや行動をまったく信用できなくなっていました。
しかし、コンビニでバイトをすることで、みんなと同じ制服を着て、同じ挨拶をして、同じ仕事を繰り返せば自分は世の中の常識と呼ばれるものの一員になることができていると、そこに居場所を見つけます。
そして18年の月日が流れ、女性は19歳から37歳になります。
するとここにきてある歪が少しずつ出てくるようになりました。

周りの人は口々にこう言います。
「37にもなってまだ結婚しないの?そういう相手はいるの?」
「いまだにバイトってやばくない?就職はしないの?」

主人公が初めてバイトを始めた時はみな一斉に喜びました。
「良かった。あの子は変な子なんかじゃなかった。ちゃんとした仕事ができているじゃないか。」
「世間にでて立派に働いている。」

その女性はコンビニで働くことで世間の常識の輪の中に加わっていたのですが、
それでよかったはずの常識というものに違和感を感じ始めて・・・


というのがざっくりとした物語のあらすじなんですが、
ここまでのざっくりした内容でも何か感じることはありませんか?

そうなんです。
強烈に現代を風刺した物語なんですよ。

人は人をなにかと判断しがちです。
しかしその判断基準はいってみれば常識から見てってことが多くないですか?
特に日本人はそのけが強いような気がします。
○○じゃないといけない。とか
~~をしないなんておかしい。とか

でも考えてみてください。常識って一体なんですか?
モラルや道徳という言葉には[人に迷惑をかけない・思いやり]という響きを感じますが、
常識という言葉に何か守らなくてはいけないような響きはないと思いません?
でも我々は日常生活の中でこの常識という眼鏡をかけて生活をして、その眼鏡を通して人を判断していますよね。
つまり常識というものはこう置き換えられるんじゃないでしょうか。
多数派の意見と。

この常識という言葉によって揺り動かされる1人の女性の生き方を綴っているのがこの『コンビニ人間』という本です。
”薄い“というのを褒めつつとんでもなく内容の濃い物語ですが、この薄さの中に凝縮された面白さを是非手にとって読んでみてください!



ということで今回の紹介は以上になります。
BJは2時間もかけずにこの本を読破しましたが、その後見えてくる世界や考え方の深さなどは見違えるほどです。今回紹介した見方以外にもいろんな方向から焦点を当てられると思うので、読んだ感想なんかも良かったら聞かせてください。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
この本があなたの人生を変える一冊になりますように。


以上BJRYOでした。




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