夢をかなえるゾウ4 〜ガネーシャと死神〜

どーもBJRYOです














今回紹介するのはこちら







夢を叶えるゾウ4.jpg











水野敬也著

『夢をかなえるゾウ4 〜ガネーシャと死神〜』 











まだ出版されたばかりの「夢をかなえるゾウシリーズ」の最新作です!



二つ前の記事で『夢をかなえるゾウ3』の紹介をしてますが、今回も著者水野敬也さんの、いや”ガネーシャ”のガネーシャ節全開で、ガネーシャ好きの読者に、ガネーシャを心待ちにしていた読者に、素晴らしい教えと実家のような安心感を届けてくれてます(ガネーシャ様。これだけ褒めちぎっておりますのでどうかぼくの夢を叶える課題を教えに来てください。)





待望のシリーズ最新作ですが、今回は今までとは少し毛色が違います。
1〜3までのシリーズでは、それぞれの主人公は「自分の理想の暮らしがしたい!」「幸せになりたい!!」「人生を成功させたい!!!」と切実に願い、すがるようにガネーシャ像を購入したことから物語が始まりますが、なんと今回の主人公は・・・すでに”幸せ”だと感じられている人なんです!


そんな主人公がどうしてガネーシャの教えを実行する日々を送ることになっていくのか!?
ではまずあらすじを紹介していきましょう。



(※以降記事の中にはネタバレにもなりうる言葉や表現が出てきます。まだ読んでいない方は、ここで一度続きを読みたい気持ちをグッとこらえていただき、今すぐ書店に走って本を購入し、速攻で読んでからまた戻ってきてください。「いや、とりあえずこの記事を読んでから購入を検討しようと思っている」と考えているそこのあなた。この先を読み進めてしまうと、BJのそのあまりにも要点を得たレビューに購買欲を刺激され、今すぐ書店に走りたくなってしまいますがよろしいですか?「ちょっと待ってくれ!?これ、この記事がすでに作品やん!著者も素晴らしいけど、読んだだけでここまで書けるなんて才能やばない自分!?BJRYOって何者なん?えっ、もしかして神様が書いてんの?」って感想が漏れてしまいますがよろしいですね?よろしいようでしたらどうぞこの先をお読みください。ひっくり返ります。料理しながら片手間でこの記事読んでいた奥さんなんか、おたま持ちながら「おったまげたー!」って叫ぶレベルです。ほなどうぞ。)



produced by ガネーシャ









〜あらすじ〜






主人公”ぼく”は、会社に勤め結婚もして娘もいるごく普通の暮らしをしていた。
主人公はそんな毎日にとても充足感を感じ、「確かにこうして毎日満員電車に揺られるのはつらい。けど、妻と娘がいてくれる。そんな二人と一緒にこれからの人生を歩めていけるのなら、こんなことは苦労でもなんでもない。ぼくはこの暮らしが幸せで、ずっと続けばいいと思っている。」
と人生に一つも後悔していない日々を過ごしていました。
しかし、そんなぼくがある日突然『余命三ヶ月』という宣告を受ける。
この静かな暮らしが永遠に続くと思っていたぼくは、自分の死後のことをまったく考えていませんでした。
「ぼくが生きている間に、妻と娘のために二人が苦労しないだけのお金を用意しておかなければ!」
悲しみに暮れる暇もなく”何かをしなければいけない”状況に追い込まれたぼくのもとに、ある日突然ガネーシャが現れて・・・










というこれまでのシリーズの主人公たちとは違った経緯から、成功した人生を求め始める主人公の話です。








そんな『夢をかなえるゾウ4 〜ガネーシャと死神〜』



今回は
①読者目線からのおすすめポイント
②物書きとしての目線からのおすすめポイント


と分けて紹介していこうと思います。













①読者目線からのおすすめポイント










まず一番最初にお伝えしたいことは、今作『夢をかなえるゾウ4 〜ガネーシャと死神〜』は、シリーズ初の二部構成になってます。



展開する物語自体は同じ時系列の話ですが、物語終盤で流れが大きく変わり、それに合わせてガネーシャの教えてくれる課題内容も変化していきます。
それは、これまで同様「夢や希望を現実にするためには、みんなが当たり前にできればそれに近づけるとわかっていてもできないことをやる」という基本的な課題から、


「そんな夢や希望を”追わない人生を受け入れる”ためにはどうすればいいのか」

という衝撃的な変わりようです。








この時点ですでに、ぼくだったら「どっ、どどどっ、どうゆうこと!!?」と購買欲を抑えることは叶わないのですが、まだこの「夢をかなえるゾウシリーズ」をこれまで読んだことのない方のために、今作を読むことで何を得られるのかを語っていきます。








今回の主人公”ぼく”は初めから叶えたい夢や目標があった人物ではありません。
むしろ今の生活で満足していました。


そこから急転直下で「あと三ヶ月で”1億”稼げるくらいのことをしないといけない。そして、娘のためにも父親がどんな人物だったのか形として残したい」という、これまでのシリーズの中で一番後が無い、一番早く結果を残さないといけない主人公です。




その状況の中ぼくに課されるガネーシャの課題は、これまでよりもより芯に迫ったような内容になっているんじゃないか・・・
読み進めながらそんなことを考えていましたが、やはり少しだけ課題の意味する部分が現実味を帯びているような気がします。




この作中何度もガネーシャは、自分が育ててきた(と本人が豪語するのだから恐らくそうなのでしょう)過去の偉人たちの言動を例に出して、その課題がなぜ成功に繋がるのかということを、本当にわかりやすく主人公に、そして読者に教えてくれます。








そんな教えの中でも、今作で教えられる内容は”人生の中で、夢や希望を追い続けるための心持ち”に焦点を当ててくれているような気がします。





余命三ヶ月のぼくに対する課題が「心持ち?」



と思われるかもしれませんが、だからこそそういった課題になったんだと思います。








あなたが急に明日「あなたの命は残り三ヶ月ですね」と言われたらどうしますか?








ぼくだったらその現実を受け入れるまでに三ヶ月を全て使ってしまいそうな気がするほどの衝撃的な告白です。
恐らくほとんどの方が、その現実を呪い、残った時間が少なくなっていくことばかりに集中して嘆き悲しみ、人によっては自暴自棄になったり、とにかく何も手に付かないような心境になってしまうと思います。



この主人公のぼくだって初めはそうでした。
しかし、ガネーシャの課題を実行し、意味を考えていくうちに、だんだんとその現実を受け入れられるようになり、なおかつ”自分が今できること、今したいこと”に集中できるようになっていきます。






なりふり構ってられない状況の人って、余裕がある人よりも鬼気迫るような雰囲気を纏っていると思いませんか?
だけど、夢や希望を追い続けるってそんなに楽じゃない。
失敗だってするし挫折だって味わう。
そのために犠牲にしないといけないのは、『普通』や『平穏』といった日常です。



本気でやりたいことのために生きている人というのは、その分が熱に変わっている。
その熱の生成の仕方を、今回ガネーシャは教えてくれているんだと思います。








今現在何かを目指している人でも、これから自分が何をして生きていきたいのか考えている人も、その熱の生成の仕方を知っておくに越したことはないと思います。

ガネーシャはこう言います。


『みんなわかってんねん。それをやれば自分の力が上がるゆうこうとも。けどでけへんねんなあ。それは、単純にそれをやり続けるのが”めんどう”やっちゅうたった一つの思考だけやねん。けど、自分は成功したいんやろ?それを叶えな後悔してまうんやろ?その二つを天秤にかけた時にどっちに揺れるかなんかわかってんねんから、あとはやるだけやん。』

(BJなりに文章は変えております)







この「夢をかなえるゾウシリーズ」の中でガネーシャが教えてくれるものは、それさえ実行していればすべてが手に入りすべてが叶うといった魔法では決してありません。
その課題から何を学び、実際に実行に移した時に何を感じるか、そういった経験の積み重ねから”自分で夢や希望を掴み取る”ためのきっかけを知ることのできる教えです。



あらゆることに言えますが、何事も実際にやってみないとわかりません。
本を読んだだけ、論文を読んだだけ、人から聞いただけ、YouTubeで誰かが言っていたことを覚えているだけじゃ、理屈はわかっても本当の意味で理解することはできません。


当たり前のことを当たり前にやる。


そのためのきっかけが欲しい方は読んで損はないと思います。











そして、そこから物語は一気に逆転して、今度は「夢や希望を追い続けない人生を”受け入れる”ための課題」を実行していく主人公。




「一体・・一体何があったのさあ!!」と思う方はぜひ書店に走ってください笑







確かに。
確かに知っておかないといけないことです。







著者水野敬也さんは、一貫して『夢や希望を諦める』ではなく『夢や希望を追わないことを”受け入れる”』と書いてくれています。


現代では、夢や希望を持っていないといけないかのような風潮が確かにありますよね。
「好きなことで生きていく」ということが実際にできるようになった時代だからこそ、これまでのような”誰かに雇われる”という形式の働き方が旧時代のもののように感じてしまう人たちが増えていると思います。




そうして誰もが自分の好きなことで生きていこうとして、全員がその希望を叶えられると思いますか?





答えはノーです。





それは現実。
好きなことで生きていくことさえも、いやだからこそ、戦い続け・考え続け・動き続けないと生きていけない。

そこには安定なんて存在せず、そして誰もがたどり着ける場所じゃない。





だから、夢を追えば追うほど、希望を膨らませれば膨らませるほど、そこに良し悪しが生まれてしまう。
ガネーシャはそう言ってました。





「夢を追わない生き方はだめ」
「人に雇われて労働力となるだけの人生はだめ」
「希望を抱いているのにそれを叶えようとしない生き方はだめ」





世の中に溢れて止まないこれらの言葉が、まるでそうした生き方をしていない人を『悪』のように祭り上げるから、そうじゃないと感じている人たちが心を病んでしまう。


挑戦してダメだった人たちはそれでも傷ついた身体で挑み続けるしか道はない。
そういった社会に植え付けられた思考を、ガネーシャは憂いているんですね。






お葬式は不謹慎だから。
だからといってマナーや意味を勉強しないのは、また別の話ですよね?






それと同じで、
夢や希望が叶わない時のことなんて考えていられない。
だからといって追い続けることをやめることを受け入れる方法を学ばないのも違う。








ちゃんとどちらの方法も知った上で、その上で夢や希望を追う生き方を選択する。




これこそが本当の自由やで!








と本文中には出てきませんが、ガネーシャは読者に伝えてくれているような気がしました。













初めから存在するはずのない万能の成功法則を求めて本書を手に取った方からすると、拍子抜けするだけなのでおすすめしません。


しかし、夢や希望を追う生き方に対する心持ちや、それが叶わなかった時の受け入れ方を知っておきたいと思う方には、BJが太鼓判を押しておすすめできます。







シリーズでおなじみになったキャラクターや演出も忘れずに出てきますし、そんな大それた思いなんかない人でも十分に楽しめるだけの物語です。
読んでいて安心できるような、自分を肯定してくれているような気持ちにもしてくれますし、時に考えさせられる場面も随所に点在してます。






実際にこの記事を”読んだだけじゃ”ぼくの言っていることの半分も理解できません。
この場合の経験は、”実際に書店に行ってこの本を購入して読む”ですね。









当たり前のことを当たり前にやる。









できそうでできないことです。













②物書きとしての目線からのおすすめポイント












ぼくは普段この「BJRADIO」というブログでの”BJ(ブックジョッキー)”としての活動以外にも、「不思議な宿屋」という物語を書いていたり、舞台の脚本を書いたり、それ以外にもたくさん文章を書いてます。





そんなぼくが、物書きとしての目線でこの『夢をかなえるゾウ4 〜死神とガネーシャ〜』という本を、同じ物書きの方におすすめします。








著者水野敬也さんは、この「夢をかなえるゾウシリーズ」を”主人公目線の一人称視点”で語り物語を進めていきます。



この”主人公目線の一人称視点”という書き方は、実はとってもとっても難しい書き方なんです。






何が難しいのかと言うと、物語がずーっと『独白』のような文章になってしまい、読者が想像を介入する余地がほとんど作れないからです。



作者が神のような立ち位置から第三者として状況を眺め、読者と同じ目線で物語を書いてくれれば、読者は当然そこでキャラクターが「今何を思っているのか」「ここはどんな場所なのか」を想像しながら読めるので、物語の中に没入しやすくなります。


けど一人称で主人公が今何を考え、どこで何をしているのか、そして思ったことを吹き出しを使ってそのまま言葉にされても、まるですでに出来上がっている映画を見ているみたいに、読者はただただ受動的にそれらを受け取り続けることしかできない。



そうなってくるとキャラクターの好みとか、設定が気に入らなければ終始その物語を読み進めることが苦痛になってしまいます。
だから難しい。






けど、この「夢をかなえるゾウシリーズ」はだからこそこれだけ売れているんだと思います。







要は、読者は本当に主人公と同じことを思い、本当にガネーシャという神様が最初は信じられず、出される課題の意味も理解できない。
つまり読者と主人公の思考が一致するんですね。



その時点で映画を見ているだけでも感情移入ができてしまう。
そして同じようにその課題のことを考え、実行する主人公に触発されて自分でもやってみたくなる。
素直な気持ちで課題を聞くことができるなど、『独白』がまったく物語を読む上で邪魔にならないんです。




設定も内容も物語の展開も、すべてが一人称の主人公目線だからこそ逆にわかりやすくて、想像力を情景を形作ることに使うのではなく、”自分だったら”と自らを省みる”ことに使うようにデザインされた文章構成になってます。









ファンタジー系やなろう系と呼ばれる物語を書いている人はぜひ読んでみた方がいい。
勉強になるところがたくさんあるから。




そして何よりも、水野敬也さんは完全に「話し言葉」と「書き言葉」を使い分けておられます。





一人称が難しい理由の一つは、この「話し言葉」と「書き言葉」の有無にあります。









一人称視点でなおかつ「話し言葉」が使われた文章というのは、とにかく読みづらい上に、『独白』にもならずリアリティが失われます




そういった点でも、この「夢をかなえるゾウシリーズ」はおすすめです。















感想












ということでいかがだったでしょうか。

水野敬也著

『夢をかなえるゾウ4 〜ガネーシャと死神〜』の紹介でした。








シリーズのファンとしてこうして新作を書き続けてくれるのは嬉しいです。
その時代に沿ったガネーシャの教え、というものではなく、ガネーシャは当たり前のことをぼくたちに”思い出させてくれる”そんな気がします。




この記事が作者の目に止まった時にどんな反応されるのかとっても不安ですね笑
「おいおい!全然違うってば!んもうっ!」って言われるかもしれない。





けど、あくまでもこの紹介文は、BJが個人的にどう思ったのかを書いたものですので、軽い気持ちで読んでくださると嬉しいです!



と最後にしっかりと予防線を張っておいて、
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
この本があなたの何かを変える本になりますように。








以上BJRYOでした

この記事へのコメント